使い方と解説(クリックで展開)
このアプリの使い方と解説
このアプリは、建物の柱と梁を簡単な入力で設計し、強度や安全性を確認するツールです。初学者でもラーメン構造(柱と梁でできた骨組み)の計算を体験できます。実務レベルの荷重(G,P,S,W,E)を考慮し、構造種別(木造、RC造など)を選べます。固定荷重Gはスラブ、柱、梁の自重を合算し、詳細な内訳を提供します。
使い方
- 1. 構造種別を選択: 木造、RC造、鉄骨造、SRC造から選択。固定荷重G(例:RC造でスラブ1.5kN/m²+柱+梁)が変わります。
- 2. 荷重条件を入力: 室の種類(例:事務所)、地域係数(積雪/風/地震)を選択。Gは構造種別と柱/梁サイズから自動計算。
- 3. 階高と許容細長比を入力: 階の高さ(例:6m)や柱の細長比(例:50)を入力。初期値のままでOK。
- 4. 柱サイズと梁幅を選択: 柱サイズ(例:450mm)、梁幅(例:400mm)を選択。「自動計算」で最適サイズを計算。
- 5. 柱の位置を指定: 5×5グリッドで、柱の位置をチェックボックスでオン(例:(0,0), (0,2))。
- 6. スパンを入力: 柱間の距離(例:8m)を入力。未入力は6m、隣接柱なしは0m。
- 7. 計算ボタンを押す: 「計算」で荷重内訳(スラブ/柱/梁)、柱/梁の負担面積、軸力、応力、安全性が表示。「柱」「梁」は折り畳み式。
計算プロセスの解説
以下の手順でラーメン構造を設計。長期(G+P)/短期(S,W,E)荷重を考慮し、実務性を高めます:
- 荷重の計算: 総荷重 = G(スラブ+柱+梁、構造種別で設定) + P(室種類から施行令85条) + S(積雪係数×0.2kN/m²) + W(風速×0.6kN/m²) + E(地震係数×(0.2G + 0.3P))。長期荷重(G+P)で耐久設計、短期荷重(S,W,E)で安全率を調整。
- 固定荷重Gの計算: スラブ自重(例:RC造150mmで1.5kN/m²)、柱自重(柱サイズ×階高÷面積)、梁自重(梁幅×高さ×スパン÷面積)を合算。梁高さは総荷重に依存するため、2~3回反復して収束。
- 柱の種類を判定: チェックボックスで角柱(2方向に柱なし)、辺柱(1方向に柱なし)、中柱(4方向に柱あり)を判定。
- 負担面積の計算: 左右・上下スパンの平均(例:(8m + 0m)/2 = 4m)で面積を計算(例:4m × 4m = 16m²)。
- 応力と安全性のチェック: 総荷重×面積で軸力、Wで曲げ応力、Eでせん断応力を計算。構造種別ごとの材料強度(例:RC造24N/mm²)と比較し、安全性(OK/NG)を確認。
- 梁の設計: スパンと梁幅でモーメント、たわみ、せん断応力を計算し、断面サイズを提案。
前提条件
- 構造種別: 木造、RC造、鉄骨造、SRC造を選択。固定荷重Gはスラブ(木造0.7、RC造1.5、鉄骨造1.2、SRC造2.0 kN/m²)+柱+梁。材料強度(例:RC造24N/mm²、木造10N/mm²)も変更。
- 固定荷重Gの根拠: スラブ自重はRC造で150mm(24kN/m³×0.15m=1.5kN/m²)、木造は合板、鉄骨造はデッキプレート、SRC造は鉄骨+コンクリート。柱自重は断面積×階高、梁自重は断面積×スパンで計算し、負担面積で按分。梁は反復計算(初回仮定600mm、2~3回で収束)。
- 荷重: P=施行令85条(室種類)。S=地域係数×0.2kN/m²。W=風速/30×0.6kN/m²。E=地震係数×(0.2G + 0.3P)。地域変動は係数で調整(例:積雪係数1.0=標準)。
- 材料: RC造はコンクリート強度24N/mm²、ヤング率25,000N/mm²。木造は木材強度10N/mm²、鉄骨造は鋼材235N/mm²、SRC造は複合。
- 安全率: 柱と梁に1.5。許容応力は強度の1/2(RC造12N/mm²など)、せん断応力は構造種別ごと(例:RC造1.5N/mm²)。
- スパン: 入力なしで6m、隣接柱なしで0m。
積載荷重Pの詳細(施行令85条)
室の種類を選択すると、以下の値が適用(kN/m²)。部位ごと:床/小梁=(い)、大梁/柱=(ろ)、基礎/地震力=(は)。
| 室の種類 | (い)床・小梁用 | (ろ)大梁・柱用 | (は)地震力用 |
| 住宅 | 1.8 | 1.0 | 0.5 |
| 事務所 | 2.5 | 1.5 | 1.0 |
| 病院 | 2.0 | 1.2 | 0.8 |
| 倉庫 | 7.2 | 4.0 | 2.0 |
| 階段 | 3.0 | 2.0 | 1.0 |
| 屋上 | 1.0 | 0.5 | 0.3 |
このアプリは簡略化された計算モデルを提供。実際の構造設計では詳細な検討(例:配筋、地震解析)が必要です。初学者向けにプロセスを透明化し、実務に近い結果を提供します。